エンドレス・ブランカ

日大山岳部の1コ上の先輩S藤さん、
ある日、山かなんか行くときに、
S藤さんの軽くシャコタンの白いカローラ
乗せてもらったのだが、

「木村、なんか聴く?」とおっしゃるので
「はい!音楽結構好きっすよ」と即返事をした。
じゃあ、と言って先輩は、
白いカセットをデッキに慣れた手つきで入れた。
 
 ぶらんかっ だあれでーもいつかあはあ 
 ぶらんかっ!だあいちいをかけてゆく
 ぶらんかっ!ぶらんかっ!

「S藤さん、これブームっすね、知ってますよ
結構好きっすよ、首藤(のちのジャンクションピーク)も
好きであいつも持ってます」
実際結構好きだったので、へえとか思いながら聞いていた。

曲がやがてフェードアウトして、
次どんな曲だっけ、とか思ってたら、また、

 ぶらんかっ だあれでーもいつかあはあ 
 ぶらんかっ!だあいちいをかけてゆく
 ぶらんかっ!ぶらんかっ!

ブランカだった。うそお、とか思って先輩に、
「またブランカっすか?」と聞きたかったが、
なにしろ先輩もノリノリで口ずさんでいるし、
滅茶苦茶スピード出してるし、
おとなしくブランカした。

次もブランカだった。またその次もブランカだった。
オートリバースしてもブランカだった。
まさにエンドレス。エンドレス・ブランカ

その日どこに車が到着したのかもなぜか覚えていない。
ハンドル握る先輩の、
茶色の皮のグローブとブランカ、しか覚えていない。

どんだけ好きだったんだろう、ブランカ。ぶらんかっっ。

エンドレス経験、実はもう1コあります。
そのS藤さんが紹介してくれたバイト先
(パチンコ台の新台入れ替え)のお兄さんの車。
水戸に向かう車中、エンドレスで

 ふぃーらいだーんす いつーのこっろかー
 あふれーそな お、もーい、でー
 めくるーめくー おもーいはー
 なあさけないほーど このーごーろ あじわえないよー

グローブの『フィール・ライク・ダンス』、
でした。
どんだけ。


天気:晴れ